夫婦は、その協議で離婚をすることができます(民法763条)が、その効力を生ずるためには、戸籍法の定めるところにより届け出をしなければなりません(同764条)。これが離婚届です。
離婚届には、婚姻届と同様、当事者双方に加えて成年の証人2名の署名捺印が必要です。
未成年の子がいる夫婦が協議離婚をするときは、どちらか一方を親権者と定めなければなりません(同819条)。離婚届には、「夫(妻)が親権を行う子」の記入欄があり、未成年の子がいるにもかかわらず記入がないと、離婚届は受理されません。
平成24年4月1日に施行された民法の一部改正で766条1項に改正が加えられ、協議離婚に際しては「父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担」について必要な事項は、その協議で定めることとされました。「離婚するときは、面会交流と養育費についても協議しておきなさい」ということです。
これを受けて離婚届の様式が改められ、面会交流と養育費の分担について、取り決めをしているかどうかのチェック欄が設けられました。しかし、このチェック欄は任意記入であって、親権者の定めとは異なり、記入がなくても離婚届は受理されます。
面会交流や養育費の分担について取り決めがなされている割合は決して高くないのが現状です。新たにチェック欄が設けられたのは、この割合を高めることが目的ですが、実効性を疑問視する声が多いようです。