子供のいる夫婦が離婚するとき、養育費とともに取り決めておくべきことは、面会交流です。

面会交流とは、離婚後に子供と同居していない親(父親であることが多いでしょう)が、定期的に子供と会うことです。

面会交流は、親の権利であると同時に、子供の権利でもあります。離婚したからといって、親子の縁まで切れるわけではありません。面会交流は子供の健やかな成長のためにも必要とされています。

離婚協議に際しては、面会交流の具体的内容(頻度、場所、1回当たりの時間など)を話し合い、離婚協議書や公正証書に明記するのが望ましいところです。

話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所の調停にゆだねることになります。離婚調停全般の中で話し合うこともできますし、面会交流にテーマを絞った調停を申し立てることもできます。

面会交流調停は、離婚後に申し立てることもできますし、離婚前の別居中のときでも申し立てることができます。また、相手方が面会交流の取り決めを守ってくれないとき、改めて調停を申し立てることも考えられます。

面会交流をめぐっては難しい問題があります。子供と同居している親から面会交流を拒絶されたとき、履行勧告や、場合によっては間接強制(金銭の支払いを命ずることで間接的に履行を促すこと)をすることはできても、履行を直接的に強制する手段がないことです。

養育費の不払いの場合はお金の問題ですから、最終的には強制執行によって解決を図ることができます。しかし、面会交流を拒絶された場合は、子供を無理やり連れてくるわけにはいきませんから、強制執行にはなじみません。

たとえ離婚協議書や公正証書、調書で取り決めがしてあっても、相手方が約束を守ってくれなければ、文字どおりの空証文になってしまいます。現に、子供に会わせてもらえず、つらい思いをしている親は少なくないと聞きます。

そんな中、東京都が平成24年5月から面会交流の支援事業を実施しています。東京都ひとり親家庭支援センター(はあと)が窓口となって、子供と同居している親、同居していない親の双方と面談を行って条件などを調整し、面会交流の実施場所、日時、方法を決め、実際の面会交流に立ち会うところまでサポートするというものです。双方の親が合意することが前提ではありますが、利用を検討してみるのも一法でしょう。

※ここまで述べたことはあくまで一般的な事例です。事情によっては、面会交流を制限したり、面会交流そのものを認めるべきでないケースも当然あり得ます。

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